研究課題/領域番号 |
25706024
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
立崎 武弘 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (20632590)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 走査プローブ顕微鏡 / 光計測 / ナノ光学 |
研究概要 |
本研究は、新たな高度光計測を確立し、科学および産業の発展に寄与することを目標に掲げている。この目標実現のためには新たな計測技術や独自の計測装置を開発する必要があり、以下を実施した。 (1)プローブ顕微鏡開発:高速ナノ光計測のベースマシンとして光学系を組み込み可能なプローブ顕微鏡を独自設計し、ハードウェアの構築を進めた。また、高速計測に欠かせない高速フィードバック制御用の回路とソフトウェアの開発を行った。ハードウェア・ソフトウェアの両面において、要素開発は完了した。 (2)高効率光プローブ開発:プローブ構造の検討を行うため、FDTD数値シミュレーション環境を確立し、高精度シミュレーションが行えるような緻密なモデルを構築した。これらの環境を活用してプローブにおける導光特性や近接場励起の条件を検討し、プローブ構造の具体的設計を実施した。 (3)サンプル準備:電子線リソグラフィー等の微細加工を駆使することで、サンプルを安定して作製可能なプロセスを確立した。また、高空間分解能の顕微磁気光学計測を確立し、作製したサンプルの評価も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)プローブ顕微鏡開発:ベースマシン開発においては要素開発が済んでおり、細部の調整と全体連動動作を実現するのみであり、目標は概ね達成している。 (2)高効率光プローブ開発:緻密なシミュレーション環境を確立して構造最適化を実施していることより、目標は概ね達成している。 (3)サンプルの準備および評価に関しては、予定を前倒しで完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はナノ光計測に必須の光学系を設計・開発し、高速プローブ顕微鏡に組み込むことでプローブ顕微鏡を完成させる。これと平行して高効率光プローブを試作する。これらが完了した段階で、各要素を組み合わせることによって目的であるナノ光計測を実現する。
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次年度の研究費の使用計画 |
装置組立てなどの研究開発空間を確保するにいたらなかったため、計画していた環境整備に当てる予算が繰越となった。 新たに研究開発空間を確保するにいたったため、装置の構築や計測に必須の除振台等の設備導入や研究環境の整備に用いる。
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