本研究は、真空紫外~極端紫外領域にて発生する世界最短級の単一アト秒(10^-18 秒)パルス光源を開発し、アト秒コヒーレント制御技術を用いて物質内の波動性を光操作することを目的とする。本研究では、開発した周波数可変型の単一アト秒パルスを用いて、物質中の内核電子の双極子応答 (振動周期、位相、緩和時間)の観測を実現した。さらに、窒化ガリウム半導体においてアト秒時間で振動する電子運動観測に成功し、その周波数はペタヘルツ(10^15 Hz)に達する。これらの成果は、内核電子を用いた新規的な化学反応制御や、半導体電子系の新たな超高周波の光機能性を実現する上で重要な知見となると考えられる。
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