宇宙には暗黒物質と呼ばれる未知の素粒子があることが数多くの観測から示唆されているが、その正体は全く分かっていない。暗黒物質を捉えるにはキセノンを用いると有利であり、世界最高感度で暗黒物質探索を行っている実験はすべて液体キセノンを用い、そこで発生する電子を上部のガスキセノンの領域まで電場によりドリフトさせ増幅して捉える方式を採用している。本研究は液体キセノンだけを用いて、発生した電子も液体キセノン中で信号増幅して捉えることで、暗黒物質探索の一層の高感度化を図るものである。実際に研究期間内の開発で、実液体キセノン中での電子増幅の発生に成功し、将来の大型化のため特殊な電極の開発を開始した。
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