研究課題/領域番号 |
25707017
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥村 曉 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90645011)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ガンマ線天文学 / 宇宙線 / 光学 |
研究概要 |
光線追跡シミュレーションによる集光装置の設計、また 3D プリンタを用いた試作機の製作と性能評価を行った。また、光電子増倍管の感度を角度依存性も含めて測定し、その測定値をシミュレーションに初めて組み込むことによって、集光装置の収集効率の角度依存性を、シミュレーションを実測に矛盾無く再現できるようになった。 3D プリンタを用いて試作した形状は、従来型の放物面を用いた集光装置(ウィンストンコーン)と、研究代表者の提案したベジェ曲線を用いたものの二種類である。これらの集光率を測定した結果、後者では期待通りにより集光率が高く、また特定の角度より大きい入射角を排除する効率もより高められることが分かった。 集光率の測定や光電子増倍管の感度の測定作業は全て自動化できるように光学ステージなど一式を購入し、測定ソフトウェアの構築なども完了した。測定精度は数パーセントの再現性があり、本研究の精度としては問題がないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、従来型の集光装置と新規開発の集光装置の両方を試作して性能比較を行うことができた。また期待通りに新型の集光装置の性能が高いことが測定から明らかにになった。一方で、装置に使用する反射材は既製品のものしかまだ使用できておらず、複数の反射フィルムの試験と選定作業が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究二年目は反射フィルムの選定作業を行い、集光効率を最大化できるようにする予定である。また装置の形状を最終決定し、カメラ本体の設計とスケジュール調整を行った上で、大量生産に向けた製作と試験を進めて行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は大型暗室を購入する予定であったが、既存の暗室を使用できるようになったため購入の必要がなくなった。 反射フィルムの試作、購入、選定と、集光装置の大量生産用金型の製作に使用する。
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