研究成果の概要 |
有限密度下に置かれたη′中間子は、量子色力学におけるカイラル対称性の部分的回復とUA(1)量子異常の影響により質量が大きく減少することが理論的に予想されており、η′中間子が原子核中に束縛したη′中間子原子核が存在する可能性がある。本研究では、ドイツの重イオン研究所において一次陽子ビームを用い(p,d)反応によるη′中間子原子核の分光実験を実施し、励起エネルギーの関数として(p,d)反応の微分断面積を求めた。また、将来さらなる高強度のビームを用いた実験を見越し、Belle-II実験用に開発された一体型読み出しボードを用いた多芯ドリフトチェンバーの新しいデータ収集システムの開発と性能評価を行った。
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