今後の研究の推進方策 |
(1) 現在までにOPERAで未検出なτ粒子の崩壊モードは、τから電子への崩壊モードである。ντ反応の検出効率向上にはこのモードに対する検出効率の改善が欠かせない。そこでECC中での系統的な電子検出技術の開発及びエネルギー測定技術の開発を進める。 (2) 同じくντ反応検出効率向上のために、短寿命で崩壊するτ粒子の探索を強化する。現在までに検出しているντ反応は全てτ粒子の飛跡が原子核乾板に記録されているもので、原子核乾板に到達する前の標的鉛板中で崩壊する事象が相当数あるはずである。 (3) バックグラウンド推定精緻化研究のための新たな補完実験では、ECCに2,3,4,5,6GeV/cのπ粒子を照射している。既にECC中での系統的なハドロン反応解析手法は確立しているので、この解析を着実に進める。 (4) 上記(1)-(3)で開発する技術や得られる知見はOPERA実験だけでなく、原子核乾板を用いた将来のニュートリノ実験・宇宙線実験等にも活用できる可能性がある。そこで学会・研究会等で多様な情報を収集し、より広い観点から原子核乾板の発展性や新しい実験について検討する。
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