素粒子標準理論を超える新物理に優れた感度を有するミュー粒子電子転換過程探索では、105MeV電子が信号事象となるため、低エネルギーの荷電粒子を高精度で検出する必要がある。そこで、20ミクロンという極めて薄いポリマー膜の導電性ストローを開発、これに高電圧を印加するワイヤを実装して、薄膜ストローチェンバーを開発した。更に、ストロー成形の際に超音波溶着技術を応用して、ストローからのガス漏洩を極限まで低減することに成功、このストローチェンバーを真空中で運用することで、究極の軽量化飛跡検出器を実現した。ミュー粒子電子転換過程探索実験で必要とされる飛跡検出器技術は、本研究でその全てを実現することが出来た。
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