研究成果の概要:強相関電子系における新量子相の創出のために、純良単結晶による多角的物性研究を行った。価数揺動系β-YbAlB4においては、量子臨界現象が有限の圧力領域において現れることを発見し、異常金属相が安定に現れる可能性を明らかにした。これは価数揺らぎによる可能性が高い。次に、四極子重い電子系PrV2Al20において、反強的四極子秩序相内にて重い電子超伝導が現れることを発見し、軌道ゆらぎによる量子臨界現象の可能性を明らかにした。最後に、Ba3CuSb2O9において、Cu(II)イオンの動的ヤーンテラー効果がスピンと軌道の量子液体を安定化していることを明らかにした。
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