本研究では、電気的に駆動した液晶の乱流状態を用いて、吸収状態転移と呼ばれる種類の相転移現象や界面成長現象における新たな普遍的物理法則の探求を行った。吸収状態転移については、符号反転対称性のもとでの臨界現象を測定するために最適な実験系を同定し、その実現に向けた諸測定を行った。界面成長現象については、(1)円から外向きに成長する界面、(2)円から内向きに成長する界面、(3)成長速度の異なる2領域中を成長する界面の3通りにおいて、界面ゆらぎにそれぞれどのような統計則が出現するか実験的または数値的に観測し、実験とモデルの比較や理論家との連携を通じて、結果の普遍性を検討した。
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