地球史を通じた大気海洋CO2濃度変動を明らかにするために、世界12地域9つの時代の海洋底枕状溶岩の空隙を埋める熱水性石英中に保存されている流体包有物の分析を行った。その結果、太古代前期から中期においては暗い太陽を補うことができるだけの大気CO2による温室効果があったこと、太古代後期から原生代前期かけて大気海洋CO2濃度が劇的に減少したこと、が明らかになった。さらに、この太古代後期に始まった大気海洋CO2濃度の減少が地球史最初の超大陸の形成と分裂に関係している可能性、さらに、このCO2濃度の減少が22億年前まで続き全球凍結を引き起こした可能性を初めて地質記録に基づき示すことができた。
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