芳香族アミノ酸を含む種々のペプチドに対して、レーザー脱離超音速ジェットレーザー分光法を適用し、コンフォメーションを区別した電子及び赤外スペクトルを測定した。理論計算との比較から、各コンフォマーの構造を決定し、構造と電子スペクトルの形状(ブロードか否か)の相関を検討した。チロシンを含むペプチドでは、異なるコンフォメーション間で励起状態寿命に大きな差は見られなかった。一方、トリプトファンを含むペプチドでは、N-H...O=Cの強い環状水素結合を形成しトリプトファン残基がその環に含まれる場合に、ブロードな電子遷移が観測され、この様な構造が速い励起状態緩和を促進している可能性が示唆された。
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