本年度は、本来の最終年度であった昨年に加え、期間延長として実施することになった年度である。本年度は、期間中に行ってきたグラフェン環境セルの作製法を用いたセルの作製とそれを用いた観察を進めるとともに、電子線リソグラフィーを用いたグラフェン環境セルの作製法にさらなる検討を加えた。従来法で作製したグラフェン環境セルを用いた観察では、水中をブラウン運動する分子の姿をナノスケールでリアルタイムで捉えることにはじめて成功した。また、電子線リソグラフィーを用いた新たな作製法の開発では、作成プロセスの詳細な検討を経て、位置選択的な転写法と反応性イオンエッチングをを組み合わせた手法を開発し、セルのサイズと深さを従来よりも正確に制御することに成功した。
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