高分子の炭化とカーボン膜のアモルファス化の2つのアプローチにより、極薄のカーボン膜を創出し、膜の構造・物性解析および液相分離機構の動的な解析に基づき、ナノ空間における物質透過のメカニズムに取り組んだ。カーボン骨格に異種元素を導入することで、カーボン膜に靱性を付与することに成功した。さらに、カーボン膜中の細孔径を制御することで、NaClの水溶液から、水だけを透過しNaClを分離することにも成功した。塩の除去率は90%以上であり、疎水性のカーボン膜においても膜中にサブナノサイズの細孔を設計することで、水系の分離膜としても使用できることを見いだした。
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