イオン液体ゲートを用いた電気二重層トランジスタを強相関電子系 SrVO3 の極薄膜に組み合わせ、金属絶縁体転移の制御を行った。 SrVO3 はバルク単結晶では良好な金属だが、10 原子層厚さ以下の極薄膜にすることで次元性が減少し、バンド幅減少による金属絶縁体転移を起こした。この状態は電子相関により絶縁体となるモット絶縁体だと考えられる。われわれはSrVO3 極薄膜でゲート印加とともに絶縁体から金属への転移がおきること、また逆に、金属相のSrVO3にゲート印加により完全な絶縁体への転移が起きることを見出した。この結果から、厚さとキャリア濃度を軸とした二次元モット絶縁体の新たな相図を提唱した。
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