再生可能エネルギーの大規模導入に向けて、蓄電・周波数変動対応の観点から蓄電池の高性能化・低コスト化が重要である。本研究では、特に多孔構造の大敵化の観点から研究に取り組んだ。具体的には、合理的多孔質電極設計のための基盤技術を確立するとともに、基盤技術を活用しリチウムイオン二次電池など蓄電池の高性能化に向けた構造設計指針を提示することを目的として下記の課題に取り組んだ。 1)ナノ界面の構造と電荷移動プロセスに伴う抵抗解明のための基盤技術の構築 2)複雑な多孔構造のモデル化および多孔体内の輸送現象・界面電荷移動を考慮した電極特性シミュレータの開発 1)の課題は初年度において重点的に進め、研究次年度以降は、2)の課題に注力した。複雑な多孔構造のモデル化技術の構築を完了するとともに、物理モデルを構築することで、多孔質場における連成現象シミュレーションを実現することができた。開発手法は液系のリチウムイオン電池に適用し、構造と放電特性に関する定量化を実現し、多孔構造の合理的設計手法のプロトタイプとして活用可能な方法として確立することができた。
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