本研究では,マイクロチャネル群を有する膜を用いて,タンパク質の物質輸送制御技術を確立し,その能動制御可能性について実験的研究を進めてきた.様々な条件のもと束縛拡散実験を行い,これによりタンパク質物質流束を自由拡散比で5~20%程度に制御できることを明らかにした.膜の生成にはポリマー高次構造を基礎としたデザインを用い,マイクロチャネルの形状を変化させることで拡散現象を制御可能にした.また,周囲環境を変化させることで膜を透過する物質流束を制御し,この制御にはある程度の時間遅れが存在し,その遅れは膜の構造に依存することを明らかにした.
|