研究課題/領域番号 |
25709011
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井上 修平 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379899)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / フォトクロミズム / 結晶 |
研究実績の概要 |
微分型分級装置を高周波プラズマCVD装置に直接接続し、気相中で合成されているナノ粒子の分級を行い粒径とフォトクロミズム発現との相関を調べた。結果的に気相中で合成されるサイズは基板上に堆積したものに比べると遙かに小さくこのことから基板上でシンタリングしていることが明らかになった。このことはこれまで学会などで指摘されていた疑問に対して答えを得ることが出来たと言える。 レーザーによるナノ粒子の合成とフォトクロミズムの発現も確認出来ており、26年度はCVD、レーザーの両面から研究を進めることが出来た。SEM、TEMによる観察からおおよそではあるが適切な粒径が分かり、EPMAによる元素分析により組成比に関する知見も得られた。さらにXRD計測からナノ粒子の構造に関するデータが得られており現在構造解析ソフトにより結晶構造を同定中である。XRD計測に十分なサンプルが合成できていないため精度の良い回折パターンは得られていないが構造はおおよそZnOの骨格をベースとしておりシリコンが固溶する形でナノ粒子が出来ていると予想される。 また、大気中での加熱の具合によりフォトクロミズムの発現、消失に変化が出るためフォトクロミズム発現の要因として酸素の欠陥が考えられる。DFT計算により酸素欠陥によるトラップ準位の形成が確認出来るが熱ルミネッセンスによる値と一致しておらずこれに関してはさらなる検討が必要である。 ここまでの結果に関して26年度は国際会議にて2件口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度の時点ではDMAによる分級、およびレーザーアブレーションによる合成と合成結果の検討までが予定であったが、XRDによる構造解析まで進めることが出来た。これは予想以上の進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
XRD回折のデータを元にリートベルト解析を行い構造を明らかにする。その構造を元にDFT計算を行い光電子分光の結果と比較することで構造の確定及びフォトクロミズム発現の機構を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額は予算額の0.04%程度であり特に理由はない。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度の予算と合算して使用する。
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