研究課題
ナノスケールで初めて発現する界面特有の濡れ性は電子物性変化に由来するため、電子状態理論に立脚したアプローチが必要である。本研究ではナノ界面に対する濡れ性と熱エネルギー伝達機構を分子レベルで解明するために、平成28年度は以下の2点について取り組んだ。1. 新規計算手法の開発に向けて、本研究ではnon-BO量子論に基づく計算プログラムを開発に取り組んだ。計算プログラムとして量子化学計算用GAMESSを取り上げ、non-BO量子論を実装した。特に本年度は基底関数が500を越えると異常終了する問題を解決した。これにより、大規模計算を実行可能なプログラム環境を整備することが出来た。2. これまでに得られた水クラスターとグラフェンモデル構造に基づき、2.5nmサイズの水のナノ液滴と4nm2のグラフェンモデルからなるモデル構造を作成した。構造最適化の後、ナノ液滴モデル内部とグラフェン-水および気液界面近傍で形成される均一、不均一水素結合ネットワーク構造を解析した。水素結合長さや電荷分布などに違いが見られ、グラフェンの濡れ性と水素結合ネットワークの関係性を明らかにした。また、グラフェンの垂直方向に対して正、負の電場を印加し、電子状態変化による水素結合ネットワーク構造の違いを解析した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Computer Chemistry, Japan
巻: 15 ページ: 85-86
http://doi.org/10.2477/jccj.2016-0048