ナノスケールで初めて発現する界面特有の濡れ性は電子物性変化に由来するため、電子状態理論に立脚したアプローチが必要である。本研究では、ナノ界面に対する濡れ性と熱エネルギー伝達機構を分子レベルで解明するために、non-BO量子論に基づく計算プログラムを開発した。またグラフェン-水ナノ液滴からなるモデル構造を作成し、均一、不均一水素結合ネットワーク構造、および伝熱に関連するパラメータとして水の振動数を解析した。また、電場を印加した下での電子状態計算にも取り組み、グラフェン界面近傍の水との相互作用が変化することで異なる水素結合構造を形成することが分かった。
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