研究の目的は,分子修飾により電荷量を局所的に改変した複数種の微小管を製作する技術を確立し,それらの電荷量に応じたキネシンによる輸送を自律的におこなうことで微小管の運動方向を制御して,「パッシブ型分子分離システム」の実現を目指すことである.当該研究期間内に,1)微小管シードの長さ制御と各種荷電粒子の付加技術,2)微小管シードの電気泳動移動度の測定と電界中での運動曲率の算出,3)微小管運動軌跡の評価,4)微小流体デバイスの製作と微小管分離の実証を実現した.微小管のマイナス端の電荷量に応じた分子分離を実証することで,キネシン-微小管系の分子ロボティクスとしての制御性向上を示すことができた.
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