研究課題
本年度はSi中のスピン輸送技術を発展させるために,理論・実験の両側面からのアプローチを行った.まず,理論の側面からはスピン輸送にドリフト効果を用いた場合の局所磁気抵抗効果の挙動を表すモデルを構築し,実験で検出されていたスピン信号の電流極性依存性および電流に対する非線形性を説明できることを示した.本成果はPhysical Review Bに投稿中である.また,実験については本来のスピンMOSFETの動作スキームである,定電厚印加,電流量の磁化配置制御に室温で成功し,真の意味でのスピンMOSFETの実現に成功した.本成果はApplied Physics Expressで出版済である.本成果によりスピンMOSFETの性能指標を評価することが可能となり,実用化レベル(磁気抵抗比100%)までは4桁程度の向上が必要であることが明らかになった.また理論計算より,界面抵抗の低減および微細素子の作製により3桁程度の向上が期待できることを示した.強磁性体の膜質改善により1桁程度の向上は望めるため,実用化に向けての設計指針を得ることが出来たと言える.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Applied Physics Express
巻: 8 ページ: 113004
http://dx.doi.org/10.7567/APEX.8.113004
Physical Review Letters
巻: 114 ページ: 196602
http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.114.196602