研究課題/領域番号 |
25709031
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
呂 国偉 東海大学, 創造科学技術研究機構, 准教授 (30599709)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 情報通信工学 / コヒーレント光通信 / 多値光変調 / 光変調器 |
研究実績の概要 |
今年度の成果の要点は、以下の通りである。 1)柔軟な高次光QAM送信機の実証 我々は、二つの直交変調器を直列接続した構成による高次光直交振幅変調(Quadrature-Amplitude Modulation; QAM)を提案し、その実証に成功した。光QAM等の多値信号は、単一波長での高速伝送に適している。データの使用量に適応して、次数の異なる光QAM信号を発生できれば、柔軟な高次光QAM光送信機を実現できる。同一の光送信機構成を使用し、異なるタイプの高次QAM信号(16QAM,32QAM,36QAM,64QAM等)の生成を実証した。シンボルレート10Gbaudにおいて符号誤り率測定を行い、良好な受信感度が確認された。また、この実験により、高性能、高柔軟性等の特徴が示された。 2)高次光QAM信号のための高性能波長変換の実証 将来の光ネットワークにおいて、波長変換は重要な機能となる。高次光QAM信号を波長変換する際、2値の光強度変調信号の場合と異なり、透明性を確保した波長変換機能が求められる。高次光QAM信号を波長変換する際に、雑音や光信号歪み等の印加を回避しなくてはならない。我々は、光信号歪みや光位相雑音の増大を避けるための直感的な方法として、EVM測定に基づく手法を提案した。更に、励起光からの位相雑音の転換を避けるための方法として、コヒーレントポンプによる、励起光の位相雑音無依存な高次QAM信号の波長変換を提案し、これを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、我々は提案方式を確認するために数値シミュレーションを行い、高次QAM信号を受信するためのアルゴリズムの開発に成功した。それに加え、提案方式を用いた様々な高次QAM信号の生成を実証するため、予備的なback-to-back実験を行うことにも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に最新モデルが発売されることが分かった為、機器の最新モデルを使用してシステム全体を設計、実証するために、次年度からの購入を開始することにした。柔軟に実験を遂行するために、以下の装置を購入する。1)高次QAM受信用:光ハイブリッドカプラ(1個)、低雑音EDFA(1式);2)光信号伝送特性評価:高出力EDFA(1台)。
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次年度使用額が生じた理由 |
最新モデルが発売されることが分かった為、機器の最新モデルを使用してシステム全体を設計、実証するために、H26年度に購入することにした.
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次年度使用額の使用計画 |
柔軟に実験を遂行するために、以下の装置を購入する。1)高次QAM受信用:光ハイブリッドカプラ(1個)、低雑音EDFA(1式);2)光信号伝送特性評価:高出力EDFA(1台)。
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