研究課題
本研究では、コンクリートの体積変化に起因した初期応力や過大な体積変化に伴って生じる不均一な微細損傷が、コンクリート部材のせん断破壊性状に与える影響を明らかにすることを目的とする。本年度は、RCはり中コンクリートの初期応力を把握した上で、RCはりの載荷実験を系統的に実施した。ここで、内在鉄筋の拘束によって生ずる初期応力は、軸方向と直交方向で鉄筋の拘束度が異なるために方向性を有するためその影響について調べた。実験では、鋼繊維混入率、せん断補強鉄筋比、収縮量を変化させたRCはり部材を対象として載荷試験を行った。得た成果は以下の通りである。成果(1) 繊維混入率が大きいと、RCはりにおいて測定した収縮ひずみは小さくなり、せん断耐力は大きくなることを確認した。成果(2) せん断補強鉄筋比が大きいと、せん断耐力は大きくなることを確認した。特に、せん断補強鉄筋と繊維補強を併用した場合のせん断補強効果は、鋼繊維のみ2%混入した場合のせん断補強効果より若干大きな補強効果を示した。成果(3) 鋼繊維を混入したRCはりならびにせん断補強鉄筋を配置したRCはりにおいて、画像解析を行うことによって、目視では確認できない程度のひび割れを観察することができた。この画像解析の結果を基に、斜めひび割れ発生後の載荷に伴う耐荷機構の変化を可視化することに成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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コンクリート工学年次論文集
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Proceedings of 10th Mechanics and Physics of Creep, Shrinkage, and Durability of Concrete and Concrete Structures
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Proceedings of the International Conference on the Regeneration and Conservation of Concrete Structures
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