研究課題
対象とするギアムシアックチル・ブキットバトゥバイオスフィアリザーブは,中央に自然林保護区コアゾーン(17.9 万ha)が,その自然林コアゾーンを囲む林業企業が保有する緩衝ゾーン(22.2 万ha),更に外側を囲むように,住民によるオイルパーム植栽を中心とした遷移ゾーン(30.4 万ha)が存在する.2014年度より,住民が管理し,火災が頻発する遷移ゾーンにて水文フラックス観測を継続している.遷移ゾーンでは集落,ゴム林,アブラヤシプランテーション,水田,耕作放棄地が存在し,さらに大小様々な排水路が存在する.そこで集落に定点気象観測所を,プランテーション,水田,耕作放棄地に移動式気象観測所と水位計・土壌水分計を設置し,水文モニタリングを継続して行っている.2016年度はインドネシアのリアウ州で,ペカンバル市環境局および気象気候地球物理庁ペカンバル観測所と共同で,PM10およびPM2.5やCOなどの大気汚染物質の観測と解析を行った.その結果,2015年7月から10月にかけての火災において,例年よりもPM10の濃度が高いことを明らかにした.現地の気象データおよびインドネシア周辺域の再解析データより,スマトラ南部で発生した火災に伴うヘイズ(煙霧)が季節風に伴って移流したことを示した.一方,リアウ州では火災が周辺に比べて少なかったために,CO濃度は高くなかった.今後も大気汚染物質の観測と解析を行うことで,熱帯泥炭火災が大気環境および人体に与える影響の解析を行っていく予定である.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
PLOS ONE
巻: 12(3) ページ: -
10.1371/journal.pone.0174388
Tropical Ecology
巻: 58,1 ページ: 95-104
Open Journal of Plant Science
巻: 1 (1) ページ: 18-21
自然災害科学
巻: 35 ページ: 105-116
Journal of Tropical Forest Science
巻: 28 ページ: 426-435
Environmental Entomology
巻: 45 ページ: 1170-1177