本研究は,4次元変分法およびアンサンブルカルマンフィルタ法(EnKF)を用いて,沿岸域における流動水質シミュレーションの再現性向上を図り,水質モデルに用いられる各種パラメータ,計算条件の最適化手法の開発を行った.計算対象は大阪湾の夏季の水質とし,同化するデータとして,HFレーダによる水表面流速分布,定点自動観測システムによる水温・塩分・クロロフィル・溶存酸素(DO)の鉛直分布を取り上げた.4次元変分法およびEnKFのいずれも,密度や水質項目の水平・鉛直分布の再現性を大きく向上させた.また,両データ同化手法それぞれを用いた水質モデルパラメータの修正手法の構築を行い,パラメータの推定を実施した.
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