研究課題/領域番号 |
25709051
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
樋山 恭助 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (10533664)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | BIM / シミュレーション / 環境 / エネルギー / データ継承 |
研究概要 |
本研究は、既往の建設プロジェクトにおいて行われた最適化の結果に統計的な情報処理を加え、シミュレーションのデフォルト設定値として新規プロジェクトへ継承することで、設計初期段階におけるシミュレーション精度を向上させるシステムの構築を目的とするものとなる。 研究初年度となる平成25年度には、設計初期段階のシミュレーション精度を向上させるため、設計の進行に伴う入力値の変動を抑制することが可能な、デフォルト設定値の最適化アルゴリズムの開発を進めた。 本研究では、まずは設計変数、目的関数を限定した簡易なケーススタディにより、無思慮なデフォルト設定の使用による建築設計初期段階のシミュレーション精度の低下を明らかにした。 この上で、初期段階の簡易型最適化アルゴリズムとして、既存の設計における最適化データからデフォルト設定値を構築する手法を開発し、ケーススタディを通して、その効果を確認した。 ただし、建築設計は多目的最適化問題であり、目標を達成するために多くの設計変数を最適化する必要がある。そこで、各設計変数の主従関係を明らかにすると共に、それぞれの設計変数が各目的関数に与える影響と感度を調査する事で、設計変数の階層構造を明らかにし、最適化するデフォルト設定値の優先順位を明示する作業を進めた。この際、設計初期段階のシミュレーションにおけるデフォルト設定値の変動が、解析精度の低下に繋がる事を考慮し、目的関数に与える影響度が大きいもの、その変動による目的関数への感度が高いものを優先的に最適化の対象とする階層化も考慮した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、デフォルト設定値の最適化アルゴリズムのプロトタイプの提案を終了し、ケーススタディを通してその効果確認が進んでおり、おおむね順調に研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に続き、デフォルト設定値の最適化アルゴリズムの改良を進めると共に、種々のシミュレーションソフトウェアへの応用を検討するため、各シミュレーションの目的に適合した設計変数の階層構造の明示と、最適化するデフォルト設定値の優先順位の精査を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
他の研究費により、当初支出を予定していた平成25年度の研究を遂行する上で必要な計算機等の購入が不要になったため、次年度以降に使用する経費として繰り越した。 本研究の対象を目的別の種々のシミュレーションに拡張するために必要となるシミュレーションソフト・計算機購入費として使用するほか、シミュレーションに必要となるデータの調達費用、大学院生を確保し研究体制を充実するために必要となる人件費(主に謝金)、研究打合せや情報収集の旅費として使用する。
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