都市化の進展により多くの都市でヒートアイランド現象、大気汚染等が都市気候問題として顕在化している。海陸風循環は沿岸都市の都市気候形成や大気汚染物質の輸送過程に多大な影響を及ぼすため、その挙動を正しく評価する必要があるが、上空の風環境の観測データは限られている。本研究では、リモートセンシング機器の一つであるドップラーライダを用いて都市上空の風環境の観測を行い、観測データを充実させた。また、北九州・福岡大都市圏の気候変化を数値シミュレーションにより検証した。その結果、当該地区の約30年間の都市化の進展により、ヒートアイランド現象が進むだけでなく、福岡都心部に吹き込む海風が弱まる可能性が示唆された。
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