本研究では、燃料電池や酸素分離膜への応用が期待される酸素透過性セラミックスのイオン・電子の輸送特性を実験および計算の手法を組み合わせて原子・格子スケールから理解することを目指した。ペロブスカイト系の材料において酸素空孔生成エネルギーの評価を第一原理計算と熱重量測定による比較検討し、800K以上の高温でも電子・ホールは局在化していることが明らかにした。このような知見に基づいて、イオン伝導性の最適化設計への提案を行った。具体的には遺伝的アルゴリズムとキネティック・モンテカルロ法を組み合わせた計算手法によって10倍程度の伝導度向上が望めることを明らかにした。
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