今後の研究の推進方策 |
(A)Fe-20Cr-30Ni-2Nb鋼の800℃時効に伴うLaves相の粒界析出に伴うγ-Fe/Laves相界面構造の変化を調べる.本鋼の800℃/240h 時効材の粒界におけるγ-Fe/Laves相界面を,透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて,界面転位及び原子構造の観点から観察する.先ず,Laves相とγ-Feの幾何学的関係が明確な双晶境界に析出したLaves相とγ-Fe相の界面構造を調べる.その後,大角粒界におけるLaves相(異なる析出形態)と γ-Fe相の界面構造を調べ,双晶境界のものと比較する. (B)弱加工及び高温熱処理を組み合わせ1mm以上の結晶粒径を有する試料を作製し,ゲージ部が単一の結晶粒界を含む引張試験片を作製する.先ずは双晶境界(Laves相の粒界被覆率 100%)をゲージ部に含む試験片のSEM内引張試験を行い,γ-Fe/Laves相近傍のその場観察を行う.また,応力軸と粒界面の角度が異なる複数の試験片の破断強度を測定することによって,γ-Fe/Laves相の界面強度を実験的に測定する.その後,集束イオンビーム(FIB)加工装置を用いて変形部のTEM観察試料を作製し,変形後のγ-Fe/Laves相界面と転位を観察する.
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