本研究は,オーステナイト系耐熱鋼における金属間化合物相による粒界析出強化機構の解明を見据え,Fe-20Cr-30Ni鋼(γ-Fe単相)及びFe-20Cr-30Ni-2Nb鋼(γ-Fe/ Fe2Nb-Laves相)の単一結晶粒界を有する微小な試験片を作製し,ナノインデンターを用いた圧縮試験を行い,室温におけるオーステナイト系耐熱鋼の強度及び変形に及ぼすγ-Fe/Laves相界面の役割を検討した.その結果,γ-Fe/Laves相異相界面は粒界近傍のγ-Fe相の加工硬化を促進する役割を担うことを明らかにした.
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