超臨界含浸を利用した眼科ドラッグデリバリーシステムの作製プロセスにおいて,含浸条件,水添加と薬物放出挙動との関連性について把握した.超臨界二酸化炭素に対する薬物の溶解度と,ハイドロゲル中への薬物含有量には相関関係があることを確認した.また,超臨界含浸プロセスで不可欠となる超臨界二酸化炭素相と水相間における薬物の分配係数に関する理論モデルを構築した.理論モデルには,薬物分子,水分子が形成する水素結合を考慮した局所組成モデルを導入した.超臨界含浸プロセスを利用し,ハイドロゲル中の薬物拡散抑制剤であるVitamin Eの導入を行った.従来の液体溶媒含浸と比較し,含浸時間を大幅に削減できた.
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