九州大学箱崎キャンパス内6箇所で採取した天然土壌を試料として、トリチウム移行挙動に関する基礎実験を行った。トリチウム透水実験では、土壌充填層にトリチウム水を注水し、充填層から排出される水量とそのトリチウム濃度の経時変化を測定した。水およびトリチウムのマスバランスから、注入量に対する充填層内蓄積率を求めたところ、水に比べてトリチウムの蓄積率が高いことを明らかにした。これは、土壌中に吸着水、層間水、構造水等として存在する軽水素とトリチウムが同位体置換することによる効果である。この結果は、土壌中でのトリチウム水の移行挙動予測に軽水の移行モデルをそのまま適用することは適切でないことを示す。
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