本研究では、PADI4のシトルリン化基質をプロテオミクス解析により網羅的に探索し、150以上のタンパク質をシトルリン化基質として同定した。その多くがRNA結合タンパク質であり、シトルリン化によりタンパク質間の複合体形成が阻害される事が示された。Padi4 ノックアウトマウスのRNA sequence解析の結果、300以上の遺伝子のスプライシングが影響を受けている事が示された。 次に、シトルリン化のコンセンサス配列を決定し、肝癌患者の17.5%でこの配列に対する自己抗体が陽性となっている事がわかった。本研究により、シトルリン化修飾についての知見が深まり、生理的な意義が明らかとなったと考えられる。
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