DNAダメージにより中断したDNA複製フォークの再開始メカニズムを解明することを目標として研究を行っており、特にMUS81-EME1構造特異的エンドヌクレアーゼとRecQヘリカーゼファミリーのDNA複製再開始反応に関わる役割を解明することを目標として研究を行った。今年度の解析で、MUS81-EME1の活性化に関わる因子として以前から関与が指摘されていたDNAヘリカーゼやDNAトランスロケースを中心として、そのメカニズムの解明に関する研究を実施した。関連するタンパク質をバキュロウイルス-昆虫細胞系にて組換えタンパク質を過剰発現させ、そのタンパク質を精製して活性の測定を行った。その結果、幾つかの候補を発見した。現在は、再現性を含め、詳細な検証を行っている。 一方、早老症患者からの新規遺伝子の単離に関しては、多くの患者由来の細胞から見つかった因子は、BLMやWRM遺伝子変異であったが、1つ新規の候補が見つかった。まだ、その候補遺伝子が早老症や染色体不安定性に関与するか解明していないが、今後はその遺伝子産物の機能解明を目指したい。
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