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2013 年度 実績報告書

ヒト腸内細菌叢代謝機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25710016
研究種目

若手研究(A)

研究機関東京工業大学

研究代表者

山田 拓司  東京工業大学, 生命理工学研究科, 講師 (10437262)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腸内細菌 / 代謝ネットワーク / バイオインフォマティクス
研究概要

ヒト腸内には1000種100兆個体を超える微生物群が共生していると言われている。糞便中に含まれる細菌を調べることによりどのような腸内細菌が共生しているかを知ることができる。しかしながら、多くの腸内細菌が嫌気性であり難培養性であるため詳細かつ網羅的な解析が非常に困難であった。近年、遺伝子配列決定が比較的安価且つ高速に行えるようになり、ヒト糞便中に含まれる微生物群の遺伝子配列全てを一度に決定するメタゲノム解析と呼ばれる手法が確立された。この手法により糞便中の細菌組成及び遺伝子組成を比較的容易に得ることができるようになった。ヒト腸内細菌叢は独自の代謝系を持っており、葉酸などのビタミン合成系、二次胆汁酸合成系、さらには食物繊維を分解することによる酪酸などの短鎖脂肪酸合成系などの存在が報告されている。腸内細菌がヒトの健康状態に与える影響を解明するためにはこのような腸内代謝系の理解が必須である。しかしながら、腸内細菌による化合物の代謝経路及び関連する酵素遺伝子の多くは解明されていない。また、これまでに文献などで報告されている代謝経路をまとめて利用できるようなデータベースの整備もされていない。上記の大型プロジェクトにより大量の遺伝子配列を得ることができるが、現状ではそれらの遺伝子に対して割り当てることができる遺伝子機能が非常に少ない。そこで、本研究では腸内細菌叢における代謝反応経路の解明を目的として、文献情報などから腸内細菌叢における代謝反応経路を抽出し、腸内細菌叢代謝経路データベースを作成した。また、ヒト腸管内で修飾を受ける化合物群を代謝する新たな反応経路を予測する解析パイプラインを構築予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データベースは順調にエントリが集まっている。また、新学術領域ゲノム支援のサポートにより、日本人の糞便サンプルのメタゲノム解析も進行中である。

今後の研究の推進方策

腸内代謝経路の可視化及びデータベースの公開を行う。また、疾患患者由来の腸内メタゲノム解析が進行中であるので、疾患との腸内菌叢の関連性解析にも着手する。

次年度の研究費の使用計画

研究員用の人件費として予算の一部を確保していたが、本年度は適材がいなかったため次年度以降に持ち越した。
研究員をより広く公募することで研究員としての適材を探し、雇用する。

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公開日: 2015-05-28  

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