本研究課題では、大腸菌、分裂酵母、白血球系がん細胞を対象に、定常環境下における分裂や死の定量計測を行い、細胞生理の現象論的法則を明らかにすることを目指した。研究の結果、大腸菌では世代時間の平均と分散が線型に関係することを見出し、この関係があらゆる定常環境下での成長率の原理的上限を与える可能性を示唆した。さらに、分裂酵母の長期1細胞計測により、定常環境下での分裂率と突然死の発生率が線型に関係することを見出した。この関係から、分裂率を上げるとそれ以上に死亡率が大きくなるというトレードオフを明らかにした。また白血球系がん細胞の1細胞計測を実現するマイクロ流体デバイスを開発した。
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