平面内細胞極性の形成過程において、非典型的カドヘリンDachsous(Ds)の勾配は方向情報として機能し、個々の細胞の極性の担い手である7回膜貫通型受容体Frizzled(Fz)などの非対称局在の向きを制御する。しかしながら、ショウジョウバエの翅と複眼で、Ds勾配に対するFz局在の向きは反対になっており、Ds勾配とFz局在を繋ぐ機構には不明な点が多い。我々は、実験と数理モデルを融合した研究を実施し、Prickle(Pk)とそのアイソフォームであるSpiny-legs(Sple)の発現比の違いにより、Ds勾配に対するFz局在の向きが変換される分子機構を明らかにした。
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