研究課題
ハマウツボ科根寄生植物であるストライガやオロバンキは主要な穀物や野菜に寄生し、アフリカ地域を中心に甚大な農業被害をもたらしている。しかし、植物寄生のメカニズムはまだほとんど解明されておらず、その根本的な防除法は確立していない。本研究では、遺伝学的アプローチを用いて寄生植物の寄生の分子メカニズムの包括的理解を目指した。まず、EMS処理をしたコシオガマ変異種子ラインを吸器誘導物質を含む培地上に播種し、寄生が出来ない変異体・寄生形質に変異が生じた変異体のスクリーニングをおこなった。これまでに、吸器毛が欠損した変異体、吸器の形状異常変異体、吸器欠損変異体を複数単離している。得られた変異体を様々な吸器誘導物質で処理し、また様々な宿主植物に感染させることで詳細な表現型解析を行い、吸器形成に関わる遺伝子の機能を推定した。さらに、野生型に戻し交配して得られたF2世代を次世代シーケンサーを用いて再シーケンスすることにより、原因遺伝子の同定を行った。遺伝子多型をフィルタリング方法を工夫することで、変異体の原因となる遺伝子多型を数個の候補遺伝子に落とすことができた。得られた候補遺伝子を毛状根形質転換法を用いて変異体に遺伝子導入することにより、変異体の表現型の回復が認められたため、変異体の原因遺伝子の同定に成功した。複数の変異体のゲノムの再シーケンシングを行い、植物寄生に関わる新たな遺伝子を同定することに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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