トレニア・フルニエリ(2n=2x=18)とトレニア・バイロニー(2n=2x=16)の種間雑種の減数分裂で、異種の染色体が対合した8本の二価染色体とフルニエリ染色体由来の1本の一価染色体が観察される。分子系統解析の結果、2n=18から2n=16への染色体減数が生じた可能性が高いことが分かっている。2種の種分化の過程において一価染色体を形成するフルニエリ染色体が与えた影響を考察するために、2種の全ゲノム配列を比較した。その結果、バイロニーのゲノムDNAに類似する配列がフルニエリの9本の染色体に散在して検出され、特定の染色体が脱落して種分化に至った可能性は低くなった。
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