哺乳類の社会において、個体は異なる社会的段階、繁殖、生活史(年齢、出生群からの移出入)のステージを経る。その一連の過程は、社会的変遷(social trajectory)と呼ばれ、個体の異質性(individual heterogeneity)を形成する要因であるのみならず、個体より上位の社会的・生態学的現象に影響する要因である。本研究では、哺乳類の社会性・社会行動を、個体の異質性を考慮して分析し、新たな社会生態学的特徴を検出することを目的とした。複数種を対象にした野外調査、行動観察、生理的測定、系統種間比較を行い、適応論的予測に合致する発見を行った。
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