研究課題
海綿動物からは様々な生物活性を持った二次代謝産物が多く発見されており、これらの化合物は海綿自身が生産するのではなく、海綿動物を宿主とした共生微生物が生産すると考えららているが、直接的な証明はほとんどされていなかった。本研究では、生物活性物質の生産に関与する有能な微生物をフローサイトメトリーで分離し、その代謝物とゲノムを分析することで、生産者を同定するとともにこれらの化学、遺伝情報を有効活用することを目的とする。昨年度までは、主にTheonella属およびDiscodermia属に共生するEntotheonellaの多様性や二次代謝産物に関する研究をおこなってきた。本年度は、強力な抗真菌活性を示し海洋天然物に特徴的な化学構造を持つaurantosideを多く含む海綿動物を南西諸島にて発見したため、生産者の特定とそのゲノム情報の取得を試みた。フローサイトメトリーにて特定の微生物を分離し、その抽出物をLC-MSにて分析したところ、aurantosideを主成分として検出することに成功した。そこで、当該微生物の種を16S rRNA情報を基に同定した。その結果、この共生微生物はデータベース上に近縁種が存在しない、特徴的な微生物であることが明らかとなった。現在、ゲノム解析をおこなっている。また、同海綿にもEntotheonellaが含まれることが明らかになっており、この微生物の化合物情報とゲノム情報の取得をおこなっている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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