| 研究課題/領域番号 |
25712026
|
|---|
| 研究機関 | 東京農工大学 |
|---|
研究代表者 |
福田 信二 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70437771)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| キーワード | 生態系影響解析 / 生態工学 / 生息場モデル / 移動分散モデル / 水域ネットワーク |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究では、福岡市西区を流れる瑞梅寺川の約430m区間を対象水域としている。本年度は、継続調査のデータ（2013年12月～2014年7月分）を回収し、研究成果の一部を国内外での学会において発表した。小規模河川におけるVPS（Vemco Positioning System）調査、特に、計4魚種40個体の同時追跡は国内外において事例は無く、バイオテレメトリー研究の進展に資する成果が得られた。また、超音波多層流向流速計（ADCP）を用いた流水環境調査（水深と流速）を実施し、河床材料、水際部特性とあわせて、魚類生息場の定量評価に向けた現地調査を実施した。継続調査の結果から、時間経過に伴い、受信数および位置推定可能個体数が減少していることから、長期調査における技術的な課題が示唆された。一方で、継続的に受信できている動物タグと基準タグおよび同期タグがあることから、これらを利用した位置推定法が望まれる。また、成果を発表した国際会議（ISE2014）において、ベルギー、ドイツ、スペインの研究者と会合し、魚類の移動分散に関する研究手法および移動阻害解消に向けた取り組み等について情報交換した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、継続調査の結果が得られ、さらに魚類行動モデル構築のための追加調査を開始するなど、成果が得られつつある。また、既に得られたデータの解析も進めており、追って成果を発表する予定である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
現在は、魚類行動モデルの構築に向けたデータ取得のためのVPS調査および水位や水温の連続観測を、対象水域およびそこに接続する農業用ため池において開始している。今後は、超音波多層流向流速計（ADCP）を用いた流水環境調査を実施し、水位や水温データとの統合を計画している。解析に関しては、ADCPによる空間的に連続なデータと統合的に解析することによって、データの質的要素等に関する課題の解決が可能になると考えられる。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、学内研究資金が十分にあったため、本研究課題の一部に充当することができた。
|
| 次年度使用額の使用計画 |
国内外の学術会議における成果発表に加え、超音波多層流向流速計を用いた流水環境調査および在来淡水魚の移動分散に関する現地調査のために使用する。これにより、国際的にインパクトのある学術成果をあげるとともに、国内における情報発信を目指す。
|
