本研究では、申請者らが研究開始時までに開拓していたGLUT4ナノ計測系の高精度化とそれを用いたGLUT4輸送制御システムの計測によって、2型糖尿病に特徴的なインスリン抵抗性の分子・構造基盤について理解することを目的とした。そのために、従来用いていた計測システムの持つ欠点を克服した新しい計測システムを構築した。そして、2種類の異なる分子の一分子動態を高精度に同時計測するとともに、一分子動態と細胞内構造体との同時観察に成功した。さらに、より高次な構造と機能を有するマウス骨格筋線維におけるGLUT4ナノ計測を可能とし、この組織におけるGLUT4輸送システムと運動効果の分子基盤に関し知見を得た。
|