研究課題
パーキンソン病は、人生の中~晩年期に、振戦や筋固縮といった運動障害症状に加え、認知症なども合併して発症する神経変性疾患である。本邦には15万人の患者がいる主要な神経難病のひとつであるが、根治薬剤は存在しない。申請者らは、パーキンソン病のゲノムワイド関連解析を行い、本症を引き起こす4つの遺伝子リスク(α-synuclein, LRRK2, PARK16, BST1)を同定、世界に先駆けて発表した(Satake W et al, Nature Genetics 2009)。本申請ではこの研究を格段に進展し、さらなるPD遺伝子発見のため、次世代シークエンサーのゲノム解読能を本症に応用した。特に、エクソンに存在する、疾患への効果サイズの大きいRare variantリスクを見出すことに焦点をあてた。具体的には、パーキンソン病の患者の血液検体由来のゲノムから、全エクソン配列のみを抽出(エクソームキャプチャー)し、次世代シークエンサーHiseq2000/2500にて全エクソームシークエンスを行った。BWA, GATKなどの標準的なゲノム解析をおこない全エクソン配列を解読した。患者対照間で関連検定(trend検定)をおこなったところ、P <10-4を示す16個のパーキンソン病リスクとなる非同義置換variantを同定した。これらになかには、既知のパーキンソン病リスクvariantも含まれており、研究の正確性を反映していた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
Neurobiol Aging.
巻: 49 ページ: 217.e1-217.e4.
10.1016/j.neurobiolaging.2016.09.022.
Am J Med Genet A.
巻: 170A ページ: 183-188
10.1002/ajmg.a.37397.