本研究では、マイトファジーと呼ばれるオートファジー性ミトコンドリア分解に着目し、心不全の新たな治療戦略を目指した基礎医学的検討を行った。 マイトファジーを介したミトコンドリアDNAの分解不全による蓄積が炎症と心不全を惹起するというこれまでの成果を展開し、哺乳類細胞におけるミトコンドリア分解についての全く新しい分子機構を解明した。本研究で同定したミトコンドリア外膜蛋白質BCL2L13は、ミトコンドリア分裂ならびにマイトファジーを誘導することを明らかにした。さらにBCL2L13は、酵母のマイトファジー必須分子であるAtg32の哺乳類細胞における機能的ホモログであることを明らかにした。
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