日本人の死因第3位は肺炎である。肺炎球菌は、市中肺炎及びインフルエンザ続発性細菌性肺炎の原因菌として頻度が高い。本研究では、肺炎球菌感染早期の防御機構の解明を目指し、NKT細胞というリンパ球に着目して解析を行った。複数存在するNKT細胞亜集団の一つを欠損したマウスでは、肺炎球菌感染後の菌体排除が促進することが分かった。さらに、その欠損マウスではインフルエンザ続発性肺炎球菌感染後の経過の改善を認めた。そのことより、そのNKT細胞亜集団は肺炎球菌を排除する免疫応答に制御的な作用をもたらす可能性が示唆された。
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