研究課題
同系マウス由来の正常遺伝子を有するiPS細胞(GFP+TgマウスおよびCD45.1発現マウス)に対し、Lhx2遺伝子導入による血球系分化誘導を行った。血球系前駆細胞への分化効率をフローサイトメトリーで検討したところ、15-30%であった。これらの細胞はin vitroで各血球系への分化能を確認した。こうして得られたiPS細胞由来造血前駆細胞を、17型コラーゲン欠損表皮水疱症マウス(n=3)に移植したところ、全例が2週間以内に死亡した。また、17型コラーゲンヒト化マウス(マウス17型コラーゲンは欠損しているものの、ヒト17型コラーゲンを発現しているマウス)を移植対象とし、サポーター細胞として17型コラーゲン欠損マウス骨髄細胞と混合して移植した。移植後4週間後の時点での末梢血キメラ形成率は12.2 ± 5.26 % (n=10)であった.移植後200日の時点で生存率は約50%となり、未治療群と比較して生存予後の改善傾向がみられた。GFP+Tgマウス由来iPS細胞から誘導した造血幹細胞を移植した群においては、フローサイトメトリーでiPS細胞由来末梢血細胞の割合を解析したところ、10.3±4.8%にとどまった。移植後の上皮化皮膚においては、RT-PCRにて2匹にわずかなマウス17型コラーゲンmRNAの発現が確認されたが、マウス17型コラーゲンの発現を、免疫蛍光抗体法および電子顕微鏡解析で確認されなかった。iPS細胞由来幹細胞移植郡と、従来の骨髄移植郡で出現するドナー由来表皮角化細胞の分子学的差違を検討するため、各々の細胞を分離抽出し、マイクロアレー法で解析したところ、iPS細胞由来角化細胞でCXCL9などの発現上昇が確認された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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British Journal of Dermatology
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