表皮水疱症は、真皮-表皮境界部を構成する蛋白の先天的欠損や構造異常により皮膚の脆弱性を生じ、容易に水疱や潰瘍を形成する疾患である。近年造血幹細胞移植を始めとした細胞療法が注目されているが、生着不全のリスクなどが課題として存在する。そこで、近年本邦で開発された人工多能性幹細胞(iPS細胞)の知見を応用して、大量の細胞を造血系細胞へ分化誘導させることでその問題を解決する発想に至った。正常マウスiPS細胞を血球系前駆細胞へ分化させ、17型コラーゲン欠損マウスや17型コラーゲンヒト化マウスに移植したところ、一部で欠損17型コラーゲンのわずかな発現が確認された。
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