研究課題
本研究の目的は、アルドステロン産生腺腫が引き起こす原発性アルドステロン症(PA)の発症に関わる分子機構を標的として、医薬品化学および薬物動態学的な観点から分子設計を行い、副腎でのPA責任病変を高感度で検出・評価しうるPET/SPECT用分子イメージングプローブの開発を行うことにある。ステロイド生合成系において、アルドステロン合成酵素(CPY11B2)はアルドステロン合成のみに関与する酵素である一方、ステロイド11β‐水酸化酵素(CPY11B1)は、アルドステロン及びコルチゾールの両方の合成に関与する。従って、アルドステロンの過剰分泌をコルチゾールの過剰分泌と区別して検出することには、CPY11B2に対する選択性が高いことが好ましい。今年度は、昨年度に引き続きインビトロ評価法の再構築、モデル動物の作製を検討した。インビトロ評価法としては、V79細胞に対してCYP11B1、CYP11B2の導入の確認を、ウエスタンブロッティング、RT-PCRを用いて行った。特にRT-PCRに関しては、独自に作成したプライマー、既報のものを含めて複数のプライマーを用いて評価を行った。その結果、mRNAレベルでCYP11B1、CYP11B2の発現を確認した。さらにウエスタンブロッティングを用いた検討により、各細胞にCYP11B1、CYP11B2タンパクが発現していることを確認した。PAモデル動物の作製に関しては、CYP11B1、CYP11B2を導入したV79細胞を、腎皮下に移植したマウスの作製を検討した。腎被膜下移植後に、HE標本で生着の確認、免疫染色でCYP11B1、CYP11B2の発現を確認した。新規化合物としては、今年度新たに1種のSPECTプローブの合成に成功した。現在は、インビトロの評価を進めている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Nuclear Medicine
巻: 57 ページ: 1978-1984
10.2967/jnumed.116.175810
http://labo.kyoto-phu.ac.jp/taisya/