放射線治療に用いられるX線や粒子線が、がんに投与する線量以外に、それらが人体内外の物質との核反応によって発生した二次粒子の実測を行った。特に標的核破砕反応で発生する二次粒子の角度分布を考慮した線量評価法を確立した。例えば、陽子線における二次粒子の線量寄与は線量当量で20%程度に及ぶことを明らかにした。入射原子核の電荷が大きくなると、単位粒子あたりの二次粒子の生成断面積は大きくなり、炭素線は陽子線の約6倍になることが分かった。一方で、1Gyで照射される炭素線のフルエンスは陽子線の約1/25となる。従って、線量寄与という観点では、炭素線は陽子線の1/5~1/6程度であることを実験により確認した。
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